中国国務院事務室が、「中国のエネルギー政策(2012年)白書」を発表した。

中国のエネルギー発展には4つの問題が存在する。


 白書によると、中国はエネルギーの海外依存度が高く、国内のエネルギー備蓄規模は比較的小さい。近年国際エネルギー市場価格の変動が大きくなっている影響で、国内へのエネルギー供給の難度が上昇している。またエネルギーの海上輸送、パイプライン輸送などにおいて、安全上のリスクが拡大している。


 さらに、中国のエネルギー発展は、上記問題の他にも、4つの大きな問題に直面しているという。

 1つめの問題は国内資源量不足。中国には大量の資源が埋蔵されているが、国民1人あたりの資源量に換算すると、世界平均保有量を下回っている。さらに今後、経済成長に伴って、中国人のエネルギー消費量は大幅に増加することが予測されている。

 第2に、中国のエネルギー資源利用効率が、先進国と比較して非常に低い水準に留まっていること。第3に、環境問題が深刻化し、エコ社会への転換を迫られていること。第4に、エネルギー利用に関する枠組みが不完全であることが挙げられている。


  新エネルギーの発展を促進

 

 中国はエネルギー問題に対応するため、今後太陽光発電、風力発電、地熱発電、バイオマスなどの再生可能エネルギー、クリーンエネルギーの利用を促進していく方針を示している。

 具体的目標としては、第12次5カ年計画(2011―2015年)の終了する2015年までに、エネルギー消費に非化石エネルギー消費の占める割合を、11.4%にまで引き上げる方針を示している。

 特に、太陽光発電については、2015年までに発電設備容量を、2011年の約7倍に当る、2100万キロワット以上にまで拡大する計画が示されている。

 大規模太陽光発電設備の建設場所としては、土地資源に乏しく、太陽光資源の豊富な、青海省、甘粛省、新彊ウイグル自治区、内モンゴル自治区などの名前が挙がっている。


  海外との協力を積極的に推進


 また、中国は国内のエネルギー市場を海外にも開放し、エネルギー分野における国際協力を積極的に推進していく方針も示した。

 日本、アメリカ、EU諸国や、ロシア、カザフスタンなどの国々と、エネルギー分野における対話・協力枠組みを構築していく方針である。

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